水分と認知機能の意外な関係

認知科学


口の中とのどが乾燥してひりつく感覚があり、頭痛がすると同時にボーッとして考えられない。これらはすべて脱水症の兆候です。

暑い日に外出しているときや運動しているときには、大量の水分を摂らなければならないことは誰でも知っていると思いますが、たとえ身体を動かしていないときでも容易に脱水症に陥ってしまうことをご存知ですか?

多くの高齢者が、1 日あたりの推奨水分量を摂取していません。そして、にわかには信じられないかも知れませんが、体内の水分量と認知機能の間には強い関係があります。

高齢者を対象に水分補給と認知機能の関係性について、男女の認知機能試験の成績と水分補給の関係を調べたある調査では、水分補給量が多かった女性被験者は他の被験者よりも高い成績を収めました。脱水状態は計算能力、短期記憶、反応時間、運動能力をはじめとする認知機能に影響を与えると考えられています。

しかし、年齢を重ねていく中で常に適切な水分量を維持することは難しくなってきます。水分を貯めておく筋肉の量が減ることで体内に保持できる水分量が少なくなるだけでなく (だからこそ継続的な運動が大切です)、水分量の低下や脱水状態を自覚するホルモンのはたらきも若いころに比べて鈍くなります。

それでは、きちんと水分を補給してスッキリとした脳の状態を保つためにはどうすれば良いのでしょうか? それは、なによりも水を飲むことです。ソーダやジュース、糖分が多い紅茶などは避けましょう。認知機能にとって糖分が良くないことはもとより、水分補給の観点からも水より吸収率が低いためです。またカフェインには利尿作用があるため、コーヒーやお茶、紅茶は 1 日 1、2 杯にとどめておきましょう。そして、どこへ行くときも常に水を携帯し、外出するときは水筒やペットボトルなどの水を持って出ましょう。

推奨される 1 日あたりの水分摂取量は女性で 2.7 リットル、男性で 3.7 リットルです。 これには食品からの水分も含まれるので、飲料水としての摂取量はこれよりも少なくて済みます。1 日あたりの飲料としての摂取量は 500ml ペットボトルであれば 6 本、小さめのグラスであれば (200ml) 15 杯程度です。さあ、乾杯!

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