脳は「顔」をいつまでも覚えています

脳トレ


人の顔から、どれだけの情報を読み取れるか、考えたことはありますか? 顔を見た瞬間、あなたの脳は、無意識のうちに相手の外見、しわ、ほくろなどの情報を素早く脳内で処理して、過去の記憶と関連づけ、目の前の人を思い出そうとします。

この作業は特に努力がいらないため、あなた自身は苦痛を感じないかもしれませんが、脳はこの時に複雑な作業を行っています。顔は、単に目、鼻、口などで成り立つものと考えることもできますが、脳は、物体などに対する処理とは大きく異なる方法で、顔からの情報を処理しています。

顔認識を行う場合、脳の右半球と左半球の両方が関与します。しかし、あなたが知人の顔を見たときは、更に「右中側頭回」と呼ばれる右脳の一部も点灯しはじめるのです。

また脳は、幸せな人の顔の方が、より認識しやすい、という研究結果もあります。いくつかの脳の領域は、幸せそうな顔に反応して信号を増加させる事もわかってきました。

名前を思い出すのが苦手な人がいますね。残念ながら、加齢とともに、この部分の脳機能は低下します。人の顔が認識できないことも、認知症の特徴の 1 つです。これは 「顔の記憶欠陥」と呼ばれています。

顔を決して忘れないようにするには、どうすればよいでしょうか? 頭脳だけに頼るのを一旦やめて、ペンと紙を使って人の名前を実際に書いてみましょう。

近所に買い物に行くときには、「名前ゲーム」を試してみましょう。まずはレジの人に、あなたの自己紹介をします。そして名前を聞いたあと、再び彼らに名前を尋ねて、そのタイミングで、紙に名前を書いてもらいましょう。

このゲームは馬鹿げているように聞こえるかもしれませんが、大抵の場合、人は自分の名前を覚えてもらえることを嬉しく思うはずです。帰宅途中で、今日会った人の名前と、その人に関連する顔の特徴や個性を思い浮かべてみましょう。次にお店を訪れるときは、ぜひその人に名前を呼びかけて挨拶してください。おそらく笑顔で迎えられるはずです!

文献

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