「老化」ではなく「ライフステージの進化」

やる気


地球上のすべての生き物がヒトと同じように年をとっていくと思いますか? 信じられないかも知れませんが、年を取るのが非常に遅い、またはまったく年を取らない生き物も存在します。これらの生き物を、「長寿生命体」と呼びます。たとえば松の中には数千年も生きる種があります。哺乳類にもハダカデバネズミのように老化せずに 30 年近く生きる種もありますが、老化しないのになぜ死ぬのかということはまだはっきりとわかっていません。哺乳類の中で最も長命なホッキョククジラでは、211 歳の個体が確認されています。

私たちヒトの寿命はこれよりも短いものの、世代を重ねるごとに平均寿命は延びています。しかしこのように寿命が延びてきたことで、私たちは新たな悩みを抱えることになりました。その 1 つが、老化に対する向き合い方の問題です。

若い頃に比べて関節が痛くなることが増えたり体重が減らなくなったりするなど生理的な変化はありますが、加齢 = 色々なことができなくなる、ということはありません。「寄る年波には勝てない」などと感じるようになったとしたら、年を取ることについて自分の気持ちに向き合ってみてください。

年齢を重ねたスポーツ選手がいまもすばらしい記録を出しているという例は、よく目にしていると思います。 一般的にはすでに退職年齢をはるかに過ぎていながら多くの著作を世に送り出している作家も多く存在します。また、世界各国のリーダーの多くはいわゆる「シルバー世代」です。あなたの好きなアーティストの中にも、60 歳を過ぎてもツアーを組んで連夜ロックを歌っているアーティストがいるのでは?

老化という考えが気に喰わないとしたら、「前はできたことができない」と後ろ向きに考えるのではなく、「人生のライフステージが進化しているんだ」と前向きに考えてみましょう。 日々の生活で老化が気になることがあったら、この言葉を唱えてください:

「これはライフステージの進化なんだ。私はいま進化しているんだ。身体も進化しているんだ」

文献

  • Buffenstein, R. (2008). Negligible senescence in the longest living rodent, the naked mole-rat: insights from a successfully aging species. Journal of Comparative Physiology B, 178(4), 439-445.
  • Flatt, T., Partridge, L. Horizons in the evolution of aging. BMC Biol 16, 93 (2018). doi: 10.1186/s12915-018-0562-z
  • Menard, D., & Stanish, W. D. (1989). The aging athlete. The American journal of sports medicine, 17(2), 187-196.