眠りの間に脳内で起こっていること

睡眠


世の中には、なかなか十分な睡眠をとることができない人も数多くいます。忙しい日々の中で、気がついたら毎晩布団に入る時間が遅くなってしまっているという人もいるでしょう。朝早いミーティングのために、休んだ感覚がないまま起きなければならないこともあるでしょう。

脳の健康 (および心の健康) という視点から見た場合、睡眠はどのような状況であっても必要不可欠なものです。眠りは、私たちの脳と身体の緊張をほぐし、調整して、新たな一日に向けて気力・体力を充実させる上で欠かせない時間です。

また、睡眠は脳をリセットする最も重要な時間でもあります。私たちの脳は常に脳内の有害物質を排除していますが、睡眠時間はこの働きが最も活発な時間です。私たちが眠っている間、脳内ではリンパ系がいわば洗浄液によって脳を掃除しています。

睡眠中は脳細胞間のすきまが広がって洗浄液が流れるスペースができ、脳内の深い部分まで洗浄液が届いて有害物質を洗い流してくれます。このような有害物質の 1 つが「アミロイドβ (ベータ) 」で、このタンパク質はアルツハイマー病の原因物質であると考えられています。

アミロイドβによって「アミロイド斑」(老人斑) というタンパク質の塊(かたまり)が生成されるのですが、これらの塊によって神経細胞 (ニューロン) 間のやり取りが阻害され、結果としてもの忘れや認知機能の低下が引き起こされるのです。

知らない間に脳内の掃除が行われていることに感謝してみてはどうでしょうか。最低 7 時間の質の良い眠りを取れるように、今晩はいつもより少しだけ早めに布団に入ってみましょう。

文献

  • Mendelsohn, A. R., & Larrick, J. W. (2013). Sleep facilitates clearance of metabolites from the brain: glymphatic function in aging and neurodegenerative diseases. Rejuvenation Research, 16(6), 518–523. doi:[10.1089/rej.2013.1530] (https://doi.org/10.1089/rej.2013.1530)