質の良い眠りに寝酒は逆効果

睡眠


年齢を重ねると、眠りにつくまでの時間が長くなることがあります。 そこで眠りにつく前にリラックスする手段として、アルコールを摂取する人も多くいます。たとえば米国の場合、20% の人が睡眠薬がわりにアルコールを飲むと答えています。日本では、40 歳以上の男性のおよそ 40% が毎日晩酌をすると回答しています。

しかし事実として、アルコールは睡眠にプラスの効果をもたらしません。 確かに普段より早く眠りにつくことができるかも知れませんが、アルコールが睡眠の質全体に与える影響がすべてを帳消しにしてしまいます。アルコールを代謝するために身体が活発にはたらくため、眠りの後半部分での眠りが浅くなり、睡眠の質が落ちてしまうのです。さらに、アルコールは今日起こったことを脳が整理して記憶したりするための大切なレム睡眠 (急速な眼球運動が伴う睡眠) の出現を遅らせてしまいます。

結局のところ、アルコールを摂取すると眠りが中断される回数が増えて日中も眠気が取れず気分がスッキリしないだけでなく、認知機能のはたらきと記憶機能にも影響が出ます。

また、「寝る前の一杯」は概日リズム、いわゆる「体内時計」にも影響します。 アルコールには、睡眠を誘発するホルモンと目覚めを促すホルモンのはたらきを妨げる作用が指摘されています。このため、寝酒をした翌朝は脳と身体が十分に休息できないまま目覚めてしまう恐れが高くなります。

事実は 1 つです。「アルコールは睡眠によくない」。どうしても一杯飲みたいときは、夕食前か夕食時に飲むようにしましょう (グラス一杯程度のアルコールの代謝に要する時間は 4~5 時間ほど)。そして、アルコールが完全に抜けきった状態で布団に入り、質の良い眠りにつきましょう。

文献