夜は光による刺激を避ける

睡眠


寝つきが悪く困っている場合の対処法として、就寝前にはTVや携帯電話などの画面を見ないようにする というものがあります。画面の明かりは体内時計に悪影響を及ぼし、まだ昼間であるという誤った認識を身体に与えます。

脳ではどのようなことが起こっているのでしょうか。まずは、目によって誤解がもたらされます。生物の授業で「杆状体」と「錐状体」について習った記憶はないでしょうか。これらは、光を集めて物を見えるようにする2種類の網膜内細胞です。 また、網膜内には光感受性網膜神経節細胞 (ipRGC) というものもあり、それによって瞳孔が光に反応し、体内時計を24時間周期に整えます。

日没後に網膜が人工光を浴びると、目のこれらの器官が太陽光と誤認識し、体内時計に狂いが生じます。その結果、脳の視床下部が活性化され、メラトニンホルモンが抑制されます。

以上の連鎖反応のため、眠気を感じずに神経が冴えて、必要な睡眠をとるのが困難になります。

ですから、脳の健康のため、夜間は目を労わるようにしましょう。 就寝前の活動は、読書をする、ラジオを聞く、日記をつけるというような、明かりによる刺激の少ないものにしてください。夜に十分な睡眠をとることは、脳の健康と認知力を維持する上で重要です。

文献

  • Czeisler, C. Perspective: Casting light on sleep deficiency. Nature 497, S13 (2013). https://doi.org/10.1038/497S13a
  • Eisenstein, M. Chronobiology: Stepping out of time. Nature 497, S10–S12 (2013). https://doi.org/10.1038/497S10a
  • Ju YE, Lucey BP, Holtzman DM. Sleep and Alzheimer disease pathology—a bidirectional relationship. Nat Rev Neurol. (2014) 10:115–9. doi: 10.1038/nrneurol.2013.269