一人で悲しまないで

交友関係


社会との関わりがなくなることが認知機能の低下につながることがあります。一人で過ごす時間が多い人であれば、孤独とはどういうものかを理解できるでしょう。何もないつまらない日も、周りの人たちと関わり合いを持つことが小さな幸福感と刺激的な感覚をもたらしてくれます。

人との絆と愛情には、脳を健康に保つ力があります。 人間にとって集団に属しているということが食料や住居と同じくらい大切なニーズであるということは、すでに長い間にわたり社会科学者によって確認されています。動物を使った研究では、社会的な孤立と脳機能の低下および脳の萎縮の間に関連性が認められています。

人が社会的な孤独を感じる背景には多くの要因がありますが、これらの要因は年齢が高くなると増える傾向にあります。たとえば精神的な不安定さ、誰かの面倒を見ること、地理的な孤立、コミュニケーション力の問題、移動手段の制約、近親者などの死といった要因は、誰にとっても孤独を感じる原因になり得ます。また、これらのリスク要因が自分でコントロールできるようなものではないと自覚することで、孤独感はよりいっそう深まります。

住むところを失うこと、友人や近親者、ペットの死など、あらゆる喪失感は社会的な孤立につながる非常に強い要素です。たとえ自分に近しい人を亡くしたとしても、それは人の力が及ぶところではありません。どうすれば、誰かを失い心にぽっかりと開いてしまった穴を埋めることができるのでしょうか?

最近妻や夫の死を経験した高齢者を対象にしたある調査では、思い切って外へ出て、同じように悲しんでいる人たちとじかにコミュニケーションをとることが、プラスの方向に作用することが明らかになっています。配偶者を亡くした人たちの支援グループに参加した経験者は、孤独感が弱まり、気分も持ち直し、周りからの支援を感じることができるようになったと回答しています。

もし、いま孤独や悲しみを感じているとしたら、インターネットで近所の支援グループを探してみてはどうでしょうか? インターネットがなくても問題はありません。近くの病院やコミュニティ、地域・地区センターなどに相談して、支援グループを紹介してもらいましょう。

文献

  • Stewart, M., Craig, D., MacPherson, K., & Alexander, S. (2001). Promoting Positive Affect and Diminishing Loneliness of Widowed Seniors Through a Support Intervention. Public Health Nursing, 18(1), 54–63. doi:10.1046/j.1525-1446.2001.00054.x
  • White, C. N., VanderDrift, L. E., & Heffernan, K. S. (2015). Social isolation, cognitive decline, and cardiovascular disease risk. Current Opinion in Psychology, 5, 18–23. doi: 10.1016/j.copsyc.2015.03.005