タバコとストレスの関係

リラックス


通常は、いつもお読みいただいている記事の舞台裏を話すということはないのですが、今回は大切なことなのでお伝えしておきます。本稿の筆者は 1 日 1 箱を吸っていた元喫煙者で、禁煙して四半世紀、25 年近くになります。タバコを吸っていた人間として、ストレスを感じたときについ 1 本吸いたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、元喫煙者だからこそ、ストレスを感じたときにタバコに手を伸ばすクセからいますぐ卒業すべきであるとアドバイスします。肺に悪い、心臓に悪い…といった誰もが聞き飽きている理由だけではありません。一服するとストレスが消えたように感じるかも知れませんが、その 1 本を吸い終わった瞬間から、次の 1 本の新たなニコチンを欲しがるストレスが高まっていくのです。そして、ご存知のように、ストレスは認知機能の低下につながる恐れがあります。

それだけではありません。心血管性の病気とアルツハイマー病には重なり合う部分が多くあり、心臓や肺、その他の臓器に害のあるものは、当然脳にも害を及ぼすのです。今度「一服」したいと感じたら、タバコに火をつけるのではなく瞑想することでストレスに向き合い、「心の一服」を楽しみましょう。瞑想以外にも、少し歩き回ってみることや、 外に出て新鮮な空気を吸うことも良いでしょう。タバコの煙ではなく新鮮な空気を深く吸って、吐いて…を繰り返します。もしガマンできなくてタバコを吸ってしまっても、自分を責めずに気を楽にしてください。完璧な人などいません。「いまタバコをやめようとがんばっているんだ。簡単なことではないけれど、絶対に成功するんだ」と自分に言い聞かせるのです。このような方法と他の禁煙法を組み合わせて試すことで、きっと禁煙という目標を達成できるでしょう。筆者は 1 年をかけて完全にタバコをやめることができました。あなたにも、きっとできるはずです。

文献

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